私は、先にしっかりTV版観ましたんで、あの中途半端なエンディングに対してどんなオチをつけてゆくのかとかなり楽しみにして観ましたが、結果、私の個人的意見としては微妙なところでした。
さあ、長い長いイデオンの旅も遂に終わりを迎えます。
いや、マジで、率直な感想を聞かせて欲しいです。
どうでしたか?
私は、「イデオン、ぱねえ」ということを友人に聞かされてから観ましたんで、かなりハードルを上げて鑑賞しました。
その結果としては、微妙なところです。
劇場版の『イデオン』は結末が全てなんで、結末の話だけしますね笑
そこに至る話は、TV版の方でだいたいお話ししました。
で、結末ですよね。
富野監督は、「皆殺しの富野」なんて恐ろしい異名を持ってたりするんです。
『イデオン』もTV版でかなり登場人物亡くなりましたんで、そういうことだと思ってました。
「皆殺し」は比喩だと思ってました。
しかし、結末、観ましたか、皆さん。
マジで、全員、というか宇宙中の人間殺しましたね。
無茶苦茶です笑
皆殺しというより破壊神って感じですね。
この結末に関して、一般的な感想ってどうなんでしょうか。
「は?」
ですかね笑
イデオンのテーマとして私が感じたことはTV版のレビューで書きました。
こちらにも、もう一度、まとめておきましょう。
「異文化理解の難しさ」という観点から紐解いて、その事実を重ねることで、結構抽象的なテーマを描いています。
「対立」という概念を乗り越えるのは、「相互理解」や「融和」ではないということ。
簡単にわかり合ったり、価値観が融け合ったりはしない。
「対立」を超越するのは、赤ん坊のような「無垢」、敵と味方といった「秩序づけ」のない世界、すなわち「混沌(カオス)」である。
真の「純粋さ」というのは、「混沌」であり「無」である。
生きるとは、「純粋さ(混沌)」を消費して「利口さ(秩序)」に向かうこと。
そして「秩序化」が進むほどに、価値観も複雑になり、「対立」も起こる。
いずれ、それらはリセットされなければならない運命にある。
運命には、逆らっても勝てないが、しかしどこまでもあがき続けることこそが、生きることでもある。
まあ、そんな感じなんですよ。
書いてて思いましたが、ほぼ、『エヴァ(旧作)』ですね笑
『エヴァ』をレビューするのは骨折り仕事なんで、もうちょっと先になると思いますが、基本的な構造は『イデオン』も『エヴァ』も同じです。
ほぼ同じ構造で、同じテーマを描いたのに、結果が『イデオン』と『エヴァ』というまるで違うものになってます。
これは、庵野監督は人の内面に向かう人、富野監督は外から人を定義する人、という個性によるものでしょうね。
その話はいずれまたしたいと思うますが、とにかくなぜ『イデオン』が名作とされているのかはわかりました。
SFアニメの普遍的な根っこは、『ガンダム』ではなく『イデオン』にあったわけです。
『ガンダム』は人間模様を描いた作品ですが、『イデオン』は人間そのものを描いています。
テーマの普遍性から言っても、アニメとしては古典的名作の部類に入れて良い作品でしょう。
ただ、もっとやりようはあったはずです。
なので、富野さんの作品ということも含めて、厳しめの評価にしています。
さて、そろそろレビューも終わりなんですが、最後に、イデオンのメカニックデザインについて触れておしまいにしたいと思います。
作品自体のテーマはこんなに難解なのに、なんで合体ロボかというと、玩具メーカーから要請があったからですね。
トランスフォーマー?って感じ。

それは、まあ良いんですが、後に出た小説の挿絵として描かれたイデオンがどのようなデザインか、皆さん、知っておられるでしょうか。
文庫版〈1 覚醒編〉
文庫版〈2 胎動編〉
文庫版〈3 発動編〉
小説で描かれたのはこんな感じらしいです。現物は未確認です。


それをより現代的なアレンジで再現した作品がこちら。

やばないっすか?
小林誠という方のデザインらしいです。
本来意図されたイメージにかなり近いような気がしますね。
これなら、無限力(むげんちから)発動できますわ。
いつか、このデザインでリメイクされると良いなぁなんて思います。
それか、いっそのこと全然別路線で、もっとファンタジーな世界観でリメイクするのも面白い気がしています。
なんて、そんな夢を見ながら、長かったイデオンの旅を終わりにしたいと思います。
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