戦場のヴァルキュリア リマスター(ゲーム)

- 初出:2016年
- プラットフォーム:PlayStation4
- 制作会社:セガ
- 声優:中井和哉 井上麻里奈 千葉進歩 塩屋浩三 大塚周夫 大塚明夫 小野坂昌也 岸野幸正 柴田秀勝 桑島法子 櫻井孝宏 江川央生 田中敦子 福山潤 能登麻美子 豊口めぐみ 進藤尚美 野島健児
記事を書いた人の評価
作品の内容
征暦1930年代のヨーロッパ。 大陸は、強大な軍事力を誇る「帝国」と「連邦」にほぼ二分されていた。 派遣を争う両国は、ついに開戦。 ヨーロッパ全土を巻き込む「第二次ヨーロッパ大戦」(E.W.Ⅱ)が勃発したのである。 帝国と連邦に挟まれた小国・ガリア公国。 中立を掲げるこの国を突如、帝国軍が侵略する。 その強大な軍事力の前にガリア軍は敗走。 首都陥落寸前、という絶体絶命の危機を迎えるがガリア義勇軍の小隊長の意表を突いた作戦の前に帝国軍は撃退される。
配信情報
レビュー(ネタバレなし)
この記事に続いて、レビュー(ネタバレあり)もあります。
いわゆる「神ゲー」です。
元々は2008年にPS3をプラットフォームとして発売されたものが、2016年にPS4でリマスター版として新たに発売されて、現在はさらにその低価格版が出ています。
この神ゲーがたった2000円程度で遊べるんで、特にRPG好きで未プレイの方は絶対プレイすべきです。
私の中でRPG(ロールプレイングゲーム)の最高の神ゲーは、以前にもレビューした『ゼノギアス』で、ARPG(アクションロールプレイングゲーム)の最高の神ゲーは『デモンズソウル』ですが、戦術級SLG(シミュレーションゲーム)の最高の神ゲーは『戦ヴァル』です。
まあ、正確な話をしますと、ストーリーを楽しむ要素がかなり強いので、SLGというよりはRPGに近い、SRPG(シミュレーションロールプレイングゲーム)というジャンルの作品だと思いますが、ざっくりSLGとしておきましょう。
さらに、独自のシステムでシミュレーションなのにアクションの要素も入っていますので、より正確には、「アクティブSRPG」とでも呼べば良いでしょうか。
システムについても、これだけ完成度が高いと、初見で触れて感動して欲しいという思いがありますんで、システムの細かい説明は、ネタバレレビューの方で触れます。
どうしてもシステムが知りたい方はネタバレレビューをご覧ください。
今回はネタバレレビューにおいても、ストーリーのネタバレほぼ避けました(問題ないレベルだと思いますが100%避けてはいませんので気になる方は注意)。
とにかく、それくらい独自性の高い孤高の作品ということです。
キャラ育成という要素まで考慮しますと、SRPGという枠組みでは、『タクティクスオウガ』の流れをくむ『ファイナルファンタジータクティクス』などの方が楽しめる幅が広いですが、むしろ広すぎると言いますか、費用対効果が低すぎると言いますか、ストーリーに対して求められるプレイ時間(作業時間)があまりに長すぎるんですよね笑
ちなみに、SLGというジャンルについて触れますと、私は本格的な戦略級SLGはあまりにも現実の時間を食うのでやりません。
念のために補足しますと、戦術級SLGは、まあ戦闘ごとにユニットを動かして戦うSLGで、戦略級SLGはユニットの生産や輸送、人材の確保、都市開発など国家レベルで戦争を再現するためのSLGです。
古くからある有名な戦略級SLGは、『信長の野望』とかですかね。
純粋な戦略級シュミレーションよりも、戦闘マップは局地戦再現のため作戦級ないし戦術級に切り替えて戦略戦術両方楽しむという感じのものが多いですね。
ガンダムの世界を完全再現した『ギレンの野望』なんていうのを、随分と昔にやった記憶がありますが、アレはマジでやばかったです。
一年戦争の裏で開発競争で負けた機体(ザクに負けたヅダなど)を開発するルートが選べたり、他にも生産や開発などやるべきことが多すぎて、なのにAI任せにしたりできなくて、全部手動で行うため、1ターン何十分とかかり、終戦までに何百時間という時間が私の相対時間の彼方へ吸収され消えていった記憶があります。
オフラインゲームで、ですよ?笑
一般的な職業の大人にとって、戦略級SLGは決して手を出すべきゲームジャンルではありません……。
MMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)と呼ばれる「大規模多人数同時参加型オンラインRPG」もほぼ間違いなく廃人を生み出すヤバい代物と認識されていますが、あれはオンラインであるがゆえの代物。
戦略級SLGはオフラインでも全然ヤバいです。お気をつけて。
で、話を戻します。
『戦場のヴァルキュリア』は軽く一周するだけなら、たぶん20時間くらいで済むかな、30時間はかからないと思います。
なのに、むちゃくちゃ面白くて、途中でやめられないくらいにのめり込みます。
それなりのやりこみ要素もありますので、忙しい大人から究極の暇人まで、皆が幸せになれるゲーム設計です。
普通、SLGっていろいろ頭使って段々疲れてきて、途中で「ちょっと休憩」みたいな気持ちになるんですが、このゲームは頭使って考えるのも楽しくて楽しくて次の展開が見たくて、はてしなくプレイできます。
そして、言っておかねばならないことが一つ。
一見ただのふんわりした絵柄のライトなゲームかと思いきや、初心者には攻略不可能と思えるくらいむちゃくちゃ難易度が高いことです。
でも、初見でダメだったとしても、何度も繰り返しプレイしていれば、糸口が見つかります。
ある種、『デモンズソウル』のように何度も何度も死に続ける中で学び、プレイしている人間自身がレベルアップしていく感が強いです。
初心者の方にヒントを示すなら、クリアするだけなら支援兵による回復を重視すべきってことですね。
評価Sの最短クリアとかを目指すなら全く違うストラテジーになりますが、初見プレイを楽しみたいだけなら、死なないことだけ意識してじわじわ慎重プレイに徹すれば、特殊な作戦以外はだいたいなんとかなります。
これも『デモンズソウル』と似てますね。
で、ですね、一応リマスター版をおすすめしているんですが、これはもう絶対リマスター版でやってください。
発売当時も、ただこのゲームのためだけにPS3買う人が続出するくらい全然神ゲーだったんですが、やや画質が荒いのと、決定的な欠点としてロード時間がくそほど長かったんですね。
それが改善されてます。
フルHDにリマスターされ、ロード時間も激減、ヤバいくらい快適に遊べるようになりました。
『戦ヴァル』シリーズはPS3版の高評価を受けて以降、続編が2作続けて、PSPという携帯機で荒稼ぎしたいという魂胆見え見えの消費者無視のしょうもない売り方をされたせいで、その価値を大きく下げていました。
さらに、2017年、『蒼き革命のヴァルキュリア』というまごうことなきクソゲーまで作ってしまい、もう『戦ヴァル』は終わりの様相を呈していました。
しかし、あんなものは『ヴァルキュリア』シリーズとして数えてはいけません。
なんと初代の正統な続編(世界観としては同時代の他国の話)として、『戦場のヴァルキュリア4』が2018年にPS4にて発売。
のちにSWITCH版も発売予定となっています(さらに言うと、この『初代リマスター』もSWITCH版発売予定)。
というわけで、なんとしても『4』をやらねばと思いながら、まずはシステムの復習と思って『初代リマスター』を10年ぶりくらいにプレイしました。
いやはや、リマスターの恩恵をめちゃくちゃ感じます。
そして、マジで面白い。
すでにおっさんに成り果てた身であっても、面白い。
時間が許すなら何周でもしたいくらい面白い。
引き続き『4』もプレイしたいと思います。





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レビュー(ネタバレあり)
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