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狼の口 ヴォルフスムント(マンガ)

May 28, 2018

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狼の口 ヴォルフスムント(マンガ)

狼の口 ヴォルフスムント(マンガ)
  • 初出:2009年
  • 作者 / 原作者:久慈光久 

記事を書いた人の評価

  • 好き  : ★★★★
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  • 万人受け: ★★
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  • 完成度 : ★★★★
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作品の内容

14世紀初頭、アルプス地方。イタリアへと通じるザンクト=ゴットハルト峠には、非情な番人が守る関所があった。難攻不落をもって知られるその場所を、人々はこう呼んだ。ヴォルフスムント―――“狼の口”と。 圧倒的な作画によって再現される中世人の生活様式や、鎧甲冑、鎖帷子、武器、兵器の数々……。そして、圧政者に立ち向かう市井の人々の身を賭したドラマをダイナミックに描き上げる作劇!

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レビュー(ネタバレなし)

この記事に続いて、レビュー(ネタバレあり)もあります。

史実に基づいた歴史モノの漫画です。

歴史モノというのは、「史実の忠実な再現」と「演出のための誇張」のバランスが問われるので、描き手からすると結構難しいジャンルだと思います。

例えば、『キングダム』という秦の始皇帝が中華統一を目指す時代を描いた漫画がありますが、アレは歴史を題材とした一大娯楽大作で、もはやどこが脚色かわからないくらい脚色されてると思います。

でも、アレはアレでむちゃくちゃ面白いので、全然良いんです。

で、そういう娯楽に振り切った作品と対をなすものとして、できるだけ歴史の真実の姿(史実に忠実という意味ではなく)を伝えることを目指して作られる作品もあります。

この作品は、そっち側の作品です。

もちろん、漫画なので脚色はたくさんありますが、あくまでも史実を伝えるための演出として許容できる範囲に収められていると思います。

というわけで、これは一体なんの漫画かという話をしましょう笑

スイスという国を、皆さん、当然知っておられますよね。

その、スイスという国がいかにして作られたか、その基礎になった同盟、ハプスブルク家の排除、そのための騎士と農民の凄惨な戦い、そういったものを、かの有名なウィリアム・テルの伝説などを絡めて、極めてショッキングに描いた作品です。

とにかくあまりにショッキングなシーンの連続に目を奪われるという、そういう意味での価値もある作品だと思います。

しかし、スイスがなぜスイスなのか、武装中立という立場に至ったスイスの成り立ちを理解するのに、こうした過激な描写が大きな助けになっていると感じましたので、ただいたずらにむごいシーンを描いただけの作品ではありません。

残酷な歴史を学ぶというのは、あくまでも歴史を学ぶことの側面の一つに過ぎませんが、この漫画が、特に若い世代の読者に届けば、平和とは何かについて考えるきっかけになれば、と願います。

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評価日
作品名
狼の口 ヴォルフスムント
好き
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レビュー(ネタバレあり)

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書いた人

J LAB(ジェイラボ)所長所長
当研究所、所長。

必要最小限の勉強しかせず、微分もできないまま東大に進学するという過去を持つ。

当研究所設立の動機を尋ねたところ、

「知性には可塑性がある」
「シナプスをつなげよ」

などと意味不明な供述を繰り返しており、具体的な動機は不明。