ヴァイオレット・エヴァーガーデン(TVアニメ)
- 初出:2018年
- 作者 / 原作者:暁佳奈
- 監督:石立太一
- 制作会社:京都アニメーション
- 声優:内山昂輝 子安武人 戸松遥 木内秀信 浪川大輔 田所あずさ 石川由依 茅原実里 遠藤綾
記事を書いた人の評価
- 好き : ★★★★★
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好き
- ★★★★★ 生涯の心の宝物
- ★★★★ 素直に好きと言える
- ★★★ 得るものはあった
- ★★ 暇つぶしにはなった
- ★ お金と時間の無駄
- 万人受け: ★★★★
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万人受け
- ★★★★★ 誰でも楽しめる
- ★★★★ 拒否反応はなさそう
- ★★★ 慣れた人なら大丈夫
- ★★ 偏りがあり人を選ぶ
- ★ マニアしか理解不能
- 完成度 : ★★★★★
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完成度
- ★★★★★ これ以上望めない
- ★★★★ 十分満足できる
- ★★★ 少し気になる箇所も
- ★★ 素人が作るよりマシ
- ★ 酷すぎてむしろ奇跡
作品の内容
感情を持たない一人の少女がいた。
彼女の名は、ヴァイオレット・エヴァーガーデン。
戦火の中で、大切な人から告げられた言葉の意味を探している。
戦争が終わり、彼女が出会った仕事は誰かの想いを言葉にして届けること。
――戦争で生き延びた、たった一人の兄弟への手紙
――都会で働き始めた娘から故郷の両親への手紙
――飾らないありのままの恋心をつづった手紙
――去りゆく者から残される者への最期の手紙
手紙に込められたいくつもの想いは、ヴァイオレットの心に愛を刻んでいく。
これは、感情を持たない一人の少女が愛を知るまでの物語。
配信情報
2018/05/28現在
Netflix(見放題)
レビュー(ネタバレなし)
この記事に続いて、レビュー(ネタバレあり)もあります。
美しい。
控えめに言って、ほぼ最高の完成度のアニメです。
私は京アニの作品はあまり好きではなかったのですが、さすがにこの作品は別格でした。
特に、作画のレベルが尋常ではないのが素人目にもわかります。
作画だけのために何度も観直したいと思えるくらい気合い入ってます。
ストーリーに対する若干の不満も、作画レベルの素晴らしさで全て打ち消されました。
キャラクターにではなく作画そのものに「萌え」を感じるレベルです。
キャラクターも、エロゲーから飛び出してきたみたいな萌えキャラとは全く異なるコンセプトのデザインで、いつまでも見ていられます。
ここではネタバレなしなので詳細は避けますが、こんなにもきれいごと全開で素晴らしい作品は、これまで観たことがありません。
派手なアクションなんてほとんどありませんし、ひねりを効かせた「なるほどすごい」という感動もありません。
ただ当たり前の「愛」についてこんなにも正面から丁寧にアニメとして映像化できるということに、本当に素直に感動しました。
10話が物語の一つの収束点になってますが、マジで何のひねりもないありふれた話なんですよね。
それで何故感動が生まれるのか。
それがこの作品の本質ですね。
強いて言うと、設定に若干ラノベ臭さみたいなものは感じましたし、世界観以外の技術的な設定はガバガバですが、まあ、許容範囲でしょう。
それよりも、演出が大人向けと言いますか、わかりやすいメリハリがなく単調なお話が続きますので、観るのに集中力を要します。
そういう意味で、多少は人を選ぶかもしれません。
でも、これまで私が観てきたアニメの中で、間違いなく五本の指には入る完成度の作品だと思います。
私は原作未読の評価ですが、どうも原作と比較して不満を持つ人もいるみたいですね。
ともあれ、まだ観てないなら、はよNetflix加入して全話一気に観てから、さっさとBlu-ray予約しろ。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン1
ヴァイオレット・エヴァーガーデン2
ヴァイオレット・エヴァーガーデン3(発売予定日は2018年6月6日)
ヴァイオレット・エヴァーガーデン4(発売予定日は2018年7月4日)
評価者
j-cultures.org
評価日
作品名
ヴァイオレット・エヴァーガーデン
好き
レビュー(ネタバレあり)
◆クリック【ネタバレを読む】クリック◆私はライトなアニメオタクですから、作画について語れるほど多くのアニメ作品は観ておりません。
ですが、この作品の魅力は間違いなく作画の完成度で成り立っていると思います。
これがもしもっと雑な作画であったなら、物語自体が単調であるがゆえに、魅力は半減したと思います。
作画が丁寧だと、観ている方も本当に気持ち良いんですね。
それを初めて知りました。
さて、いい加減に内容の話をしましょうか笑
とある戦時中のお話。
孤児として生き、人間として当たり前の愛情を注がれずに育った少女、生きるため(かどうか作中では描かれていませんが)常人離れした戦闘能力を身につけてしまった少女。
その少女が拾われた先で、軍隊という特殊な環境に置かれながらも、身元を引き受けた直属の上官から、人間として当たり前の愛情を注がれることになります。
しかし、愛を知らぬ少女は、その上官の気持ちを正しく理解することはできず、そして自分の気持ちを正しく伝えることもできず、別れを迎えます。
そして、戦争は終わり、その上官の残した「愛してる」という言葉の本当の意味を知りたいと願った少女は、手紙を代筆するという仕事に就き、様々な人の想いに触れながら、「愛」とは何かを形作ってゆきます。
いやあ、なんというか、良いお話にしかならない設定ですよ。
だからこそ、小手先の見せ方で観客をひきつけるようなことをしなかったことを、本当に評価したいです。
そして、だからこそ、ありのままの単調な物語に観客をひきつけるために、この超クオリティの作画は必要不可欠だったと思います。
ほめすぎなので、少しだけ意見を述べましょうか笑
まず設定として、わざわざ両手を義手にする必要はなかったと思います。
本筋とは関係のない細かい設定は無視すれば良いんですが、ちょっと気になります。
この古き良き世界観のお話のなかで、あそこまで実用度の高い義手が存在していることが、リアリティを損ねています。
戦争で両手を失うという事実は、確かにインパクトはありますが、それによって失ったリアリティの方が大きいと思います。
戦争によっていまもまだ「燃えている」という表現が作中でなされていましたが、どうしてもその感じが出したかったのなら、足を一本失うくらいの方が良かったんじゃないかなぁ。
足を失っていれば、もうヴァイオレットちゃんがまともに戦うという事態は起きませんよね。
そう、もう一つの意見としては、ヴァイオレットちゃんの戦闘能力の高さみたいなのは、あまり見たくなかったです。
戦闘美少女みたいな設定も、やっぱりリアリティを損ねてます。
よくある普通のラノベアニメと一線を画して、「美しい」という路線で作品にするのであれば、もっとリアリティにこだわった方が良かったですよね、絶対。
「実際にめちゃくちゃ強かった」みたいな設定は残して良いと思いますけど、アニメ、動く映像としてそれをあからさまに描いてしまうと、「ああ、やっぱりこれは虚構、アニメなんだ」ってちょっと興ざめに感じてしまいます。
ヴァイオレットちゃんがむちゃくちゃ強かったみたいなところはもっとふんわりした描写にとどめて、義手ではなく義足とかに設定を変えてくれてたら、本当にあらゆる年齢層におすすめできる神アニメになってたと思います。
なんか最近、「私だったらこうしたい」みたいな感想が多いですね笑
言っても仕方がないことはやめましょう。
全13話中、前半はオムニバス形式で様々な人との出会いを描いています。
5話の王女の話あたりで視聴者はヴァイオレットちゃんの成長の手応えをつかんで安心し、7話、8話でヴァイオレットちゃんが少佐の安否の真実を知ったあたりで、話が大きく揺らぎます。
それが、10話の母から子への手紙の話で、結実します。
原作知らないのでなんとも言えないんですが、アニメだけ鑑賞している分には、11話以降のお話の必要性が、あまりわかりませんでした。
もしかしたら、原作では少佐の兄である大佐との関係をもっと深く描いていたんでしょうか。
それなら、もっと大佐との絡みをしっかり描いて欲しかったですね。
確かに、大佐との関係が改善することはヴァイオレットちゃんの「救い」そして「幸せ」につながると思いますから。
一応、新作の制作も発表されてますんで、そちらも楽しみにしたいですね。
とにかく、観る者に幸せをおすそ分けする、そんな「作品」として作り込む心意気、努力を感じる素晴らしい作品でした。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン1
ヴァイオレット・エヴァーガーデン2
ヴァイオレット・エヴァーガーデン3(発売予定日は2018年6月6日)
ヴァイオレット・エヴァーガーデン4(発売予定日は2018年7月4日)