巌窟王(TVアニメ)

- 初出:2004年
- 作者 / 原作者:アレクサンドル・デュマ
- 監督:前田真宏
- 制作会社:GONZO
- 声優:中原麻衣 中村千絵 中田譲治 井上喜久子 土門仁 小杉十郎太 平川大輔 松井菜桜子 渡辺久美子 白鳥哲 矢島晶子 石井康嗣 福山潤 秋元羊介 稲田徹 辻親八 関智一 飛田展男
記事を書いた人の評価
作品の内容
パリの貴族の家に生まれたアルベールは、退屈な日常を脱するために、親友のフランツと旅に出た。月面都市ルナで、出会ったのは、モンテ・クリスト伯爵という大富豪。傍らには絶世の美女、後ろには屈強な部下を従え、ルナ一番の高級ホテルで優雅に暮らすその姿。伯爵のミステリアスな魅力にすっかり心酔したアルベールは、伯爵をパリの社交界へ迎え入れる。しかし、アルベールはまだ知らない。伯爵の真の目的は、その昔、自分に無実の罪を着せ、フィアンセを奪ったアルベールの父と、フィアンセであった母への復讐であることを。そして、その間に生まれた自分自身も、復讐の標的であるということを―――。
配信情報
2017/05/29現在
Amazonビデオ(課金) dアニメストア(見放題)レビュー(ネタバレなし)
この記事に続いて、レビュー(ネタバレあり)もあります。
原作は、大デュマことアレクサンドル・デュマの『モンテクリスト伯』です。
復讐劇として、あまりに有名な古典的名作ですね。
『巌窟王』という邦題は、明治期の訳者、黒岩涙香(くろいわるいこう)氏による意訳です。
やたらカタカナを並べるよりも、馴染みやすい名前にしようという訳者の意気が感じられます。
実際、私も『巌窟王』の方が馴染みがあります。
さて、一体何故、前田真宏監督は、そんな1840年代にフランスで書かれた原作を、いまさらアニメで描こうと思ったのでしょうか。
ともあれ、原作は、劇としての完成度は揺るぎないものです。
もし、原作を全く知らない、読んだことがないという幸運な方がいらっしゃいましたら、是非、原作を読まずに本作品を鑑賞してみて欲しいと思います。
そんな方がいらっしゃいましたら、とてもうらやましいです。
私は、残念ながら、中学生の頃に愛読しておりましたので、ストーリーは熟知しておりました。
それでも、十分楽しめるだけのアレンジのきいたとても良いストーリーでした。
映像的には、非常にきらびやかで華やかな、実験的な試みが見られます。
色使いもそうなんですが、衣装の柄や髪の色などの塗りが、キラキラのテクスチャそのまま貼り付けになってるんですね。
最初は、動きに応じて服の模様が動かないことに違和感を覚えますが、見慣れてきますと、映像表現の一つとして病み付きになってきます笑
丁寧な表現で綺麗というよりは、表現者の意図、デザイン性を強く感じます。
ちなみに、最終話にメルセデスやユージェニーが着用しているドレスは、実際にアナスイ(ファッションデザイナー)がデザインしたものだそうです。
というわけで、いろいろお話ししてきましたが、この作品、はっきり言って、超オススメします!
また、ネタバレレビューでお会いしましょう!
観ろ、しかして希望せよ!
Blu-ray BOX
原作『モンテクリスト伯』にも興味が湧いた方には、コミック版をオススメしておきます。
コミック版(アニメのコミック版もありますがそっちではなく原作小説のコミカライズです)はかなり簡略化されたせいで、やや展開が圧縮されていますが、アニメを観た後であれば十分楽しめると思います。
むしろ、よくもこんなに短く簡潔にまとめたなと感心します。
なお、小説版は、岩波文庫から全7巻で出ております。





レビュー(ネタバレあり)
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